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畑貯水池
  八幡西区畑  [2014/03/15]
 

 
畑(はた)貯水池は、遠賀川支流の黒川の上流を堰き止めた貯水池です。北九州市には、ここと門司区に畑の地名があります。ここの畑は、北・南・東の三方を山に囲まれ、南東部の標高608mの尺岳を源とする黒川の谷間にあります。

畑ダム近くの南側に標高230mの畑山があり、山頂を中心に畑城が築かれていましたが、現在は採石で山は削られています。畑城は、香月秀則が源平の合戦の時期に築いたといわれています。香月氏は香月を中心に支配する豪族でした。南北朝時代には、市瀬城との間で、後継者争いで合戦がありました。そのとき一時城主が途絶えた時があります。室町時代になると、大内氏の後盾で家は再興され、香月氏が城主となりました。安土桃山時代になると、豊臣秀吉により九州も支配下に入り、香月氏は領地を失うこととなり、畑城も廃城となりました。

江戸時代から1889(明治22)年まで畑村で、明治22年香月・楠橋・馬場山・畑村の4村が合併して香月村となり、1931(昭和6)年香月町となり、1955(昭和30)年八幡市に併合されました。畑貯水池は、八幡市と八幡製鐵所の共同事業として、1939(昭和14)年に重力式コンクリートダムの築造に着工しましたが、戦時中の物資や労働力不足で遅れ、戦後の資金不足で5年間中断し、1955(昭和30)年にやっと竣工しました。  
国道211号線の香月東口の交差点を東に、山手に入って行きます。この道路は県道61号小倉・中間線です。坂を上り、県道から左手に入って行くと、畑貯水池の堰堤の横に着きます。ここはトイレのある駐車場になっています。
県道の反対側の山が畑城跡ですが、現在は採石で山は削られています。
   
堰堤から畑貯水池の眺めです。貯水池の水は、水道用水・工業用水・灌漑用水に使われます。中央は半島のように張り出しています。その右側奥は、中畑橋の方向になります。半島の左側に畑キャンプセンターがあります。左奥は白木橋方向になります。畑貯水池は周囲6.2kmで、車道の他に、遊歩道で一周できます。
堰堤下の眺めです。貯水池から流れ出た黒川は、香月の町を流れて中間市に入り、遠賀川に流れ込みます。香月の黒川では、5月下旬から6月上旬にかけてホタルを見ることができます。都市高速下の上香月橋から下流の錦水橋にかけては、その乱舞を見ることができます。
堰堤下に降りて来ました。畑浄水場の横を通り、堰堤が見える所まで降りて来ました。堰堤の高さは43.3m、堤頂長は458.8mです。堰堤下や周囲は桜の名所でもあります。
堰堤下の桜の花は「北九州の催事」の「北九州の花見」をご覧ください。
 
   
県道61号小倉・中間線は南側の貯水池沿いを通ります。奥に進んで行きますと、道路脇に川魚の料理店があり、道は手前の中畑橋を渡って貯水池を巡る道と、更に山の奥に進む道に分かれます。橋を渡って貯水池を巡る道は後程訪ねます。真っ直ぐ県道を山の方に上って行きます。川魚の料理店のすぐ先に、トイレのある中畑橋駐車場があります。その先を進みます。
   
高架の九州自動車道の下をくぐって進むと、左手に猿渡橋駐車場があります。駐車場の先に黒川に架かる猿渡橋があります。駐車場の反対側から黒川河川散策路に入ります。県道61号小倉・中間線は、この先、畑観音の前を通って、つづら折りの坂を過ぎ、奥畑隧道を通って、田代に到ります。田代で二つに分かれて、一方は県道62号線北九州・小竹線になって八幡東区河内に、県道61号小倉・中間線は小倉南区合馬に到ります。
渓谷沿いの木道の黒川河川散策路を歩きます。
 
   
黒川河川散策路は、尺岳を源に発した黒川の上流沿いを通る散策路です。散策路の出入口部分が木道になっています。川を渡り、香月老人ホームの裏を通って、更に川を渡って先に進み、三度目は川の流れに置かれたコンクリート製の置石の上を渡り、栗林の中を通って県道に出ます。
片側一車線で、歩道もない坂道の県道を少し上ると、畑観音の入口に着きます。
   
畑観音の入口から谷川に沿った山道を登って行きます。程なく畑観音釈王寺に着きます。流れが滝となっている横の石段の上に、本尊の十一面観音菩薩が安置された観音堂が見えてきました。
観音堂の右背後には滝があり、不動明王が祀られ、滝に打たれる修行の場になっています。
ここには次のような話が伝わっています。戦国時代、企救郡西谷の落城寸前の城内で、目の不自由な華姫が許婚者の桜丸を探していました。桜丸がいないため華姫は城を立ち退きません。家来の六郎太は喉を切り、声を変えて桜丸になり、二人で、この近くに逃げて来ました。
そんなある日、二人は追手に見つかります。華姫を逃がし、六郎太は戦いますが、大勢の追手のため殺されます。華姫は、逃げる途中、谷底に落ちてしまいます。気がつくと、不思議にも目が見えるようになっていました。華姫は桜丸を探しますが、死んでいたのは六郎太でした。後、華姫は尼となり、六郎太の菩提を弔いました。
 
   
盲目の姫君の伝説により、畑観音は瞽女(ごぜ)観音とも呼ばれます。
観音堂の左手には洞窟があります。ここの水は眼病に効くと伝えられています。
   
中畑橋まで戻り、貯水池沿いの道を進みます。中畑橋の先は上り坂になり、鬱蒼とした林の中を通ります。上り詰めた所に畑キャンプセンターの入口があり、左に下りて行くとキャンプ場になります。道を更に進み、坂を下りて行きますと、右手にトイレのある白木橋駐車場があります。
駐車場の手前を白木川が流れています。
 
   
白木橋駐車場の前からの畑貯水池の眺めです。南東方向に堰堤が見えます。
白木橋駐車場の横の白木川沿いの坂道を北東に上ります。車が離合できる程度の道です。途中左手に池の堰堤が見えます。堰堤の側に「白木谷溜池築造記念碑」と書かれた大きな石碑が立っています。旧香月町は、灌漑用水として白木谷池の築造に1932(昭和7)年着工し、1934(昭和9)年に竣工しました。その後、下流の畑貯水池が着工されました。
白木谷池沿いの道を奥に進みますと、草木川とそのすぐ先の白木川が白木谷池に流れ込みます。手前の草木川沿いに白木谷梅林があります。
   
白木谷梅林は個人所有の梅林で、一般に公開されています。花の時期には紅梅白梅が咲き競います。
白木橋駐車場まで戻り、畑貯水池沿いの道を進みます。堰堤の横を通り、坂道を下りて行くと、国道211号線に出ます。


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