北九州点描

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曽根  小倉南区  [2013/02/02]
 
曽根は、周防灘に注ぐ竹馬川(ちくまがわ)の右岸に位置し、海辺に面していたので、磯根に由来する地名といわれています。
江戸時代より1897(明治20)年まで東から上曽根・中曽根・下曽根の三村がありました。「元禄国絵」には、曽根村、中曽根村、下曽根村三村が独立して書かれていますが、幕府には曽根村一村として書き上げられていました。曽根の海浜では製塩がおこなわれていました。1615(元和元)年曽根浜に千間土手が完成し、土手内は新田が開発されました。下曽根には中津街道の宿場がありました。竹馬川に唐戸橋が架橋されると、その東たもとに置かれた下曽根宿は、交通・経済の要所として、塩の集荷所として繁栄しました。千間土手は中津街道として使われました。千間土手の海側は、大規模な干拓が行われました。小倉藩家老に就任した犬甘兵庫知寛(いぬかいひょうごともひろ)は、藩政改革のため新田開発を計画しました。1795(寛政6)年、犬甘は曽根浜の干拓を元大里村庄屋石原宗祐(いしはらそうゆう)に命じ、1803(享和3)年曽根新田は完成しました。

1897(明治20)年上曽根・中曽根・下曽根の三村が合併して曽根村となりました。1899(明治22)年曽根村と田原村が合併して曽根村になり、朽網村と曽根新田村が合併して朽網村になりました。1907(明治40)年曽根村は朽網村・芝津村・霧岳村を合併しました。1934(昭和9)年曽根町となり、1942(昭和17)年小倉市に合併されました。曽根は農業主体の地域でした。1895(明治28)年4月九州鉄道は小倉から分岐させ、小倉‐行事(現在行橋市)間を開業しました。現在の日豊本線です。途中の駅は城野・曽根・苅田駅でした。1907(明治40)年九州鉄道は国有化されました。曽根製塩は良質でしたが、1917(大正6)年頃、塩田は廃止されました。戦時中、北九州は重要な防空地域で、航空基地増強のため、1943(昭和18)年、水田・塩田を買収して陸軍飛行隊の曽根飛行場の建設に着工しました。

1945(昭和20)年、日豊本線の曽根駅は下曽根駅と改称されました。山陽本線に曽根駅があり、1902(明治35)年に改称される以前は、1888(明治21)年に開業した阿弥陀駅でした。同年、曽根飛行場は終戦により連合軍に接収されて米国陸軍の管理となりましたが、1957(昭和32)年に公共用飛行場の告示がなされ、1500m滑走路の小倉飛行場が誕生し、翌1958(昭和32)年第二種空港の指定がありました。昭和30年代、小倉飛行場の北側の塩田跡を取得して工場団地を造成し、北九州工業団地が発足します。1963(昭和38)年北九州市が発足した10年後の1973(昭和48)年、小倉飛行場は北九州空港と名称を変えました。

曽根は農業地帯でしたが、戦後都市化が進み、竹馬川河口には工場団地ができ、その南には空港があり、駅周辺は商業地として賑わっていました。下曽根駅の北側を国道10号線が通っていましたが、その南側を国道10号線曽根バイパスが通る計画があり、北側だけの出入口の下曽根駅は、1981(昭和56)年南北から出入りできる橋上駅に建替えられました。1985(昭和60)年曽根バイパスは完成し、駅の南口前に、1995(平成7)年ショッピングセンターのザ・モール小倉が開店しました。北九州空港は、滑走路がわずか1500mしかなく、ジェット機が離着陸できず、東端が周防灘に面し、西は皿倉山、南は貫山、北は足立山と三方を山に囲まれて、局所的に濃霧が発生するなど不便な空港で、1983(昭和58)年定期便は廃止されていました。曽根干潟沖の周防灘に海上空港が建設されることが決定し、そのつなぎとして1988(昭和63)年定期便が再開され、2006(平成18)年新空港が開港されるまで運用されました。その跡地利用は現在計画・実施中です。  
門司港を出て、新門司を通る県道25号門司・行橋線は国道10号線とは津田西交差点で接続しますが、その手前の日豊本線の跨線橋の下の寺迫口交差点から左折して行橋に向かいます。その寺迫口交差点の1つ北で、跨線橋の下の寺迫北口交差点を東に行きます。
竹馬川に架かった唐戸大橋から上流の唐戸橋を見ています。その上流には栄橋が架かっています。古代には、竹馬川の上流蜷田(になた)付近まで海辺であったといわれています。竹馬川を上る潮を防ぐため、唐戸(水門のこと)が設けられました。
3つの橋を通る道は、東に行った中曽根新町で県道25号門司・行橋線に合流します。一番北側の唐戸大橋を通る道は、北九州空港跡地の前を通ります。唐戸橋を通る道は旧中津街道です。一番南の栄橋を通る道路は県道25号門司・行橋線です。
竹馬川については、「北九州点描」の「竹馬川」をご覧ください。
   
唐戸大橋の先を更に東に行きますと、下曽根2丁目交差点がありますので、左折しますと左手に九州労災病院があります。2006(平成18)年3月15 日閉港した旧北九州空港の跡地で、西側に当たります。2007(平成19)年移転新築工事に着工し、2011(平成23)年に新病院は開院し、小倉南区葛 原から移転して来ました。  
   
九州労災病院道路を挟んだ反対側は、現在造成工事中です。道路を先に進むと、工場団地や車検場があり、その先は竹馬川の河口です。空港跡地は、自動車産業を中心にした新産業団地とし、南北に遮断されていた道路交通を整備し、産業団地と曽根干潟の間の緩衝帯として機能を果たす整備計画が実行されています。
現在の空港については、「北九州点描」の「北九州空港」をご覧ください。
   
唐戸大橋まで戻り、上流の唐戸橋に向かいます。唐戸橋の東側からの眺めで、先方が葛原方向で、後方に標高598mの足立山が見えます。
唐戸橋は享保年間(1716-36)に架けられました。小倉城下と中津城下を結ぶ中津街道は、この橋を通っていました。中津街道は、現在の葛原八幡神社の前を通って、この橋に到ります。
湯川・葛原の中津街道については、「北九州点描」の「安部山公園」をご覧ください。
 
   
唐戸橋の東側が中津街道の下曽根宿の跡です。唐戸橋の先、右手に浄土宗西迎院(さいこういん)があります。この付近に藩主が宿泊・休憩する御茶屋がありました。下曽根宿の次は苅田宿になります。
   
西迎院の東隣は宿場跡にふさわしい邸宅があります。
その先に右折の道があります。中津街道は直進ですが、右折して進みますと、点滅信号の交差点に出ます。下曽根駅の北口前の通りです。右折すると下曽根駅に行きますが、そのまま直進します。
下曽根駅の北口前の通りを東に行くと、左手に浄土宗の慈恩寺があります。門の右手に判行寺(はんぎょうじ)であったとの石碑が立っています。藩政時代、宗門改めで踏絵が行われた寺院です。企救郡では、主に大里の西生寺(さいしょうじ)で毎年3月に踏絵が行われましたが、当寺や他寺でも行われたようです。  
   
点滅信号の下曽根駅の北口前の通りの交差点に戻り、南の下曽根駅に向かいます。下曽根駅の北口前には県道25号門司・行橋線が通っています。かっては国道10号線で、駅の北側が表口でした。駅の南側に国道10号線曽根バイパスが開通し、駅の乗降は南北からできるように、1981(昭和56)年駅舎は建替えられ、橋上駅になりました。階上に改札口があり、その前は公共通路になっていて、階段・エスカレータ・エレベータで昇れます。
 下曽根駅の南口です。駅への乗降は右、東側になります。
下曽根駅の南口前の通りです。駅のすぐ前、西側にショッピングセンターのザ・モール小倉が立地しています。通りを南に行くと国道10号曽根バイパスに出ます。その間、多くの商業施設が立ち並んでいます。
   
曽根駅の北口前の県道25号門司・行橋線を東に進み、曽根出張所交差点を右折します。すぐにJR日豊本線の踏切があります。踏切を渡って、すぐに左折して線路沿いに進むと、右手が森になっています。その先に鳥居があります。前方後円墳の荒神森古墳(こうじんのもりこふん)に、浮津嶋神社が鎮座しています。  
   
前方部に浮津嶋神社の社殿があり、本殿裏がこの後円部の墳丘になります。6世紀中頃、古墳時代後期のものといわれています。
近くに、上ん山(うえんやま)古墳、茶毘志山(ちゃびしやま)古墳といった前方後円墳がありますが、詳しくは「北九州点描」の「」をご覧ください。
   
県道25号門司・行橋線に戻り、更に東に行きますと、中曽根新町交差点に出ます。ここで県道に旧街道筋が合流します。そして家並が続いていた左手の視界が広がります。そのすぐ先の交差点で、空港跡地の南側を通って来た道が県道に合流します。交差点を左折して、空港跡地の南側を通って来た道に入って行きます。農地の先の旧北九州空港跡地の東側で、造成工事が行われています。右手の東側に、自動車関連企業のサカエ理研工業北九州工場が進出しています。
再度県道25号門司・行橋線に戻り、東に行きますと、貫川に架かる神田橋に出ます。その橋の手前を右折します。左折すると、川沿いに曽根干潟に出ます。貫川の先に標高711m貫山がみえます。貫川の左岸を上ります。JR日豊線の踏切を渡り、貫川橋交差点を左折します。
曽根新田、曽根干潟につきましては、「北九州点描」の「曽根干潟」をご覧ください。
 
   
貫川橋を渡ると、その先の右手に宗像神社があります。
宗像神社は、平安時代後期、筑前宗像神社(宗像大社)を勧請したもので、江戸時代藩主細川忠興に崇敬され、千間土手の鎮護神社でした。
   


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