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脇之浦はだか祭  若松区大字小竹  [2011/01/15]
脇之浦は若松区大字小竹(おだけ)内の浦名です。響灘を漁場にする脇之浦漁港があります。脇之浦はだか祭は、400年近く伝わる脇之浦の祭りで、豊漁と航海の安全、家内繁栄を祈って、毎年1月10日の夜行われます。
1185(元暦2、げんりゃく)年3月24日、壇ノ浦の戦いで平氏は滅亡しました。敗れた平家方の武士7人が、苦難の末、1月10日脇之浦にたどり着きました。彼らは、人目に付かぬようにひっそりと暮らしていましたが、傷がもとで4人が次々に亡くなりました。残った者が、海で拾った石を4人の塚として祈っていました。するとある日、石が笑ったように見えました。何か良いことがありそうな予感がしましたので、海でみつけた石を恵比須神社の御神体として祀ったところ、その後3人は、漁にも、嫁にも恵まれ、幸せな生涯を送ることができました。
隣の安屋(あんや)にも平家の落人伝説が伝えられています。壇ノ浦にも近い海岸で、この辺り一帯はかっては平氏に味方して敗れた山鹿兵藤次秀遠(やまがひょうどうじひでとう)が支配した山鹿荘内でした。その後、この山鹿荘には、下野の豪族宇都宮氏の一族が下向し、同じ山鹿氏を名乗りました。山鹿氏から麻生氏を名乗る一族が出て、現在の北九州市の西半分の洞海湾沿岸と遠賀川下流域を含む遠賀郡を支配します。麻生氏が支配する領内には、古くから海人達が海上で活躍していました。そのため麻生氏は海上支配を強めていきました。芦屋はその中心ですが、脇之浦や安屋の脇田(わいた)も麻生氏の文書に出てきます。麻生氏の支配の終わり頃から江戸時代にかけて、沖合の好漁場の白島付近は、隣村安屋の脇田(浦)と脇之浦との双方の領有でした。
脇之浦はだか祭は、正月10日に行われる初えびすの祭りである十日えびすと白山神社の祭礼が習合した祭りと思われます。小竹の標高169.1mの白山は、小さな山という意味の小岳といっていたのが、のち竹が密生していたので、小竹になったといわれ、これが小竹(おだけ)の地名のいわれです。中世麻生氏がこの地を治めた時に、白山権現を勧請し、白山神社を創建したため、小岳は白山と呼ばれるようになりました。その白山神社は白山の山頂下に鎮座しています。海上の漁師にとって、白山は指標となる、海の神様でもありました。はだか祭で、さらしを腹に巻いた男衆が海に入る海浜には、妙見神社が鎮座しています。北辰(北極星)を信仰対象にする北辰妙見信仰は、道を誤らずに真理に導いてくれるとして広く信仰されています。
日が暮れると、男衆が恵比須神社に集まって来ます。神事が始まり、若潮が奉納されます。この後、男衆は白山に登って、白山神社に若潮を奉納します。
脇之浦妙見公園にはテントが張られ、火が焚かれ、櫓が建てられています。
松明を持ったさらし姿の裸の男衆が、白山神社に若潮を奉納して、脇之浦妙見公園に下りて来ました。
男衆が脇之浦妙見公園の先の海浜に下りて来ます。力石を拾い、恵比須神社に奉納します。
男衆が酒樽の神輿を担いで海浜にやって来ました。
親船より新年の福を運びこむ恵比須鯛を受け取った大漁船が戻って来て、恵比須神社に奉納します。
親船より海に投げ込まれた金銀の玉を男衆が競い合う玉せせりがあります。樽神輿が親船に運び込まれます。
脇之浦妙見公園に建てられた二つの櫓から新年の福餅がまかれます。
国道495号線を東に進みますと、電源開発を過ぎた先の交差点の左角にコンビニがあり、その隣に「海と大地」という産地直送市場ができています。2010年5月15日開業しました。脇之浦漁港に水揚げされた魚介類や若松産の農産物を中心に、産地から直送された海産物・農産物が販売され、それらを食材にした食堂も営業しています。
「海と大地」の駐車場の先に国道から左に入る道があります。そこを左折しますと、道は上り坂ですが、すぐに下り坂になります。この道は脇之浦の西の出入口です。
左側の急な坂道を下りて来ました。下りた所の小山の麓に妙見神社があります。鳥居の先に小さな祠が見えます。その横の広場は脇之浦妙見公園で、はだか祭の会場になります。
脇之浦妙見公園の先、妙見神社の祠の横からの眺めです。小石の海浜で、ここをさらし姿の裸の男衆が海に入って行きました。
先方に3基のガントリークレーンが見えます。2005(平成17)年4月より供用を開始したひびきコンテナーターミナルです。先方、北側は埋立地です。右に行くと、右手、東側も埋立地になりますので、そこを北に行くと響灘に出ます。
妙見神社の鳥居の所から右折して南に行くと、左手に恵比須神社の鳥居が見えます。脇之浦はだか祭はここでの神事で始まります。
えびすさんは、商売繁盛とともに、豊漁と航海の安全の神様です。恵比須神社の社殿の前に海からの力石が奉納されています。
恵比須神社の先を行くと、すぐに脇之浦漁港になります。
見えませんが左側に水揚げ場があり、その手前に、北九州市漁業協同組合の建物があります。
漁協前から南西の眺めです。中央から左側の山が標高171mの白山です。山頂より少し右側の山の向こう側の山腹に白山神社があります。はだか祭の際、男衆が若潮を白山神社に奉納するために登ります。
白山神社については、「北九州点描」の「小竹」をご覧下さい。


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